ニュース

【2023年5月号】循環型経済に向けて

メールマガジン

≪目次≫ 
       
 01:[  ご挨拶  ] 今月の社長メッセージ
 02:[二ュース] 徳島県立阿南光高等学校の工場見学を実施
 03:[二ュース] 令和5年度科学技術分野 文部科学大臣表彰 「創意工夫功労者賞」を受賞
 04:[  コラム ] 研究開発体制

【ご挨拶】
循環型経済に向けて   代表取締役社長 三木 康弘

 アジサイの花が咲き誇り、夏が目の前に迫って参りました。
南半球では、逆に冬が迫ってきている訳ですが、世界は北だけではない事を感じるこの頃です。

 実は先般オーストラリアに行く機会がありました。広大な国土には多くの資源が眠り、砂漠には太陽が降り注ぎ、化石燃料でも自然エネルギーでも対応できる底力を感じさせられました。物価は日本の2倍近い状況ですが、個人所得の平均も日本の2倍近く、生活を実にエンジョイしている様子にショックを受けた次第であります。

 また、先般G7広島サミットが開催され、世界主要7か国が集い世界平和と経済や環境を中心としたさまざまな議論が行われましたが、グローバルサウスと呼ばれる南の国々の参加も、大きなインパクトを与えました。
大国のインドやブラジルのみならず小国や諸島国の切実な状況も注視する事となりました。もちろんウクライナのゼレンスキー大統領が来日されるなど、招待国含むすべての首脳が被爆地域の実相をリアルに観て頂いたことも歴史に刻まれる事となるでしょう。そしてこの広島の地で世界の平和と経済・社会の健全な発展に向けた首脳宣言が発せられました。

 この様な世界の潮流と硬い決意を目の当たりにすると、あらためて企業もまた世界の課題解決のために活躍しなければならない役目を負い、クリーンな循環型社会による持続可能性を担保する事業展開によってこそ発展していけるのだと再認識いたしました。

 当社はこの循環をキーワードに循環型経済(サーキュラーエコノミー)事業を柱に据え、新規事業に取り組んでいます。リサイクル原料を使い、次のリサイクルを考え、社会の資源循環やGHG(温室効果ガス)排出ネットゼロに貢献する機能材料の提供を行っております。
加えて一次産業を中心とする食料自給率向上に資する機能的プロダクトの共働開発や市場開拓に注力するなど、経営戦略の中心にSDGsを据え、これからも世界に展開してまいります。
 多面的なご支援とご協力を宜しくお願い申し上げます。

【今月の二ュース】

■ 二ュース 1  
 徳島県立阿南光高等学校の工場見学を実施 
当社は、阿南事業所にて、5月15日に徳島県立阿南光高等学校の学生28名の工場見学を実施いたしました。
  → https://www.awapaper.co.jp/news/info/post_14.php

■ 二ュース 2  
 令和5年度科学技術分野 文部科学大臣表彰 「創意工夫功労者賞」を受賞
当社社員が、令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「創意工夫功労者賞」を受賞し、4月21日に徳島県庁にて開催された賞状伝達式にて表彰されました。
  → https://www.awapaper.co.jp/news/info/5_2.php

【コ ラ ム】
 研究開発体制       研究開発部長 香川 城治

 COVID-19も、5月8日に感染法上の分類が「5類」に移行し、少しずつですがコロナ前の生活を取り戻そうとする動きがみられるようになりました。
 皆様の周りの状況は如何でしょうか?今後は自己管理を行いながら、当り前と感じていた以前の日常に早く戻りたいものですね。
 改めましてメールマガジンをご覧の皆様、4月1日付で研究開発部長を拝命いたしました香川です。今後ともよろしくお願い申し上げます。

 今回は研究開発部の現状について発信させていただきます。
 研究開発部は現在、4課体制で活動を行っております。
 研究開発一課は自動車用フィルター関係及び合成繊維紙関係、研究開発二課は一般産業用資材で無機粉体紙関係を扱っており、近年はM-thermo(車載リチウムイオンバッテリーの熱対策材料の断熱材)の改善に注力しています。研究開発一課、二課ともに既存の主力製品のさらなる改良に取り組んでいます。

 対照的に要素技術課は、基礎研究、既存技術の改良とあわせて、顧客ニーズとは別に世の中の動向を注視しながら新たに必要とされそうな技術を予測し、独自開発など比較的中長期的目線の研究開発に取り組んでいます。

 知的財産課は、当社の重要な経営資源である知的財産を管理する部門であり、企業活動のさまざまな場面で創造される知識・ノウハウ・特許等を、将来の優位性に結びつける活動に取り組んでいます。その範囲は発明生産支援、特許出願・権利化といった典型的な知的財産活動に加えて、共同開発により得た成果を事業化するために各事業部門との連携強化なども含まれます。これまでのモノづくりで培ってきた知的財産の相乗効果の創出と活用により事業成長に貢献するとともに、ビジネスリスクの低減にも取り組み、企業価値向上のため注力しています。

我々研究開発部は、AWA BreakthroughPlanの第3次中期経営基本方針

1. 新市場の開拓と事業領域の拡大
2. 中核商品のグローバル市場における競争優位の追求
3. SDGsと高収益の両立

の達成をめざし、日々の開発活動に一丸となって励んでおります。

 前期(109期)の具体的な成果として、自動車の電動化による成長が期待されるサーマルマネジメント材(M-Thermo)を、電動自動車のバッテリー用断熱材として新たに制作し採用されました。

 また、音響部材の振動板用途としてカーボンファイバー(CF)やセルロースナノファイバー(CNF)原料を用いた製品が採用されました。
 CFを用いた(CARMIX CFRTP)は軽量ながら硬いのが特徴で、音楽信号への反応スピードが速く、さらに原料に黒鉛粉体を混抄したことで共振を防ぎ、高音域でも解像度の良いクリアな音質を得られております。
またCNFを用いた製品は微細繊維による緻密なシートで音響機器の仕様要件をクリアし、透明感のある音質表現が特徴となっています。

 このように、今後も既存の製品や新たな主力製品の開発を継続し、今期(110期)におきましても皆様のご期待に沿えるよう尽力してまいりますので、引き続きご協力くださいますようお願い申し上げます。