ニュース

 【2023年7月号】備えあれば憂いなし

メールマガジン

【目次】 
       
 01:[  ご挨拶 ] 今月の社長メッセージ
 02:[二ュース] 2023年度OB会定時総会及び懇親会 開催
 03:[二ュース] 人事異動のお知らせ
 04:[二ュース] 那賀川工業用水利水者協議会総会 開催
 05:[ コ ラ ム] 天然繊維に親しむ

【ご挨拶】
 備えあれば憂いなし    代表取締役社長 三木 康弘

 暑中お見舞い申し上げます。また豪雨により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。

 さて日本経済は、インバウンド需要が大きく復活し、景気も雇用も好転しインフレも持続してきたようです。中国の景気後退は気になりますが、賃上げや値上げも社会に浸透しつつあり、確実な価格への転嫁ができるかどうかで、企業収益は左右されるのかと思います。また輸出企業の円安効果も一時的で、いつ反転するか予断を許さない状況と思います。

 一方、気候変動はすっかりと常態化し、熱波や洪水対策としてのBCP(事業継続計画)見直しも迫られています。徳島に於いては、日本三大暴れ川と謳われた吉野川と南部地域を流れる大河那賀川が有数の降雨地帯の雨水を海へと流してくれていますが、人智を超える自然には抗えません。
治水と利水は表裏一体であり、地域社会と協力して対応すべく当社は平成8年に「那賀川工業用水利水者協議会」の設立に参画し、様々な活動をしてきました。協議会は利水だけを目的とはせず、自発的に河川の維持、河川環境の保全等に関する活動を行う河川協力団体にも認定され、とくしま協働の森づくり事業(森林CO2吸収)にも参加しています。先般の総会でも流域の治水の歴史や現状を学び、国や自治体と共にインフラ整備の推進の重要性を共有しました。

(那賀川工業用水利水者協議会総会 開催)
 → https://www.awapaper.co.jp/news/info/post_17.php

 当社に於きましては、津波を含めたあらゆる災害を想定し、出来る限りの減災と早期復旧の計画、マニュアル見直しに努め、同時に大切な水資源の確保や有効活用を図っています。

 大切なお客様に、大切な商品を、安心して供給し続けていくために、自助、共助、公助で備え憂いのないよう努めて参りたいと思います。
皆様にはご支援ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

【今月の二ュース】

■ 二ュース 1  
 2023年度OB会定時総会及び懇親会 開催
当社は、7月14日に2023年度OB会定時総会及び懇親会を開催いたしました。
  → https://www.awapaper.co.jp/news/info/2023ob.php

■ 二ュース 2  
 人事異動のお知らせ
当社は、2023年7月18日付で人事異動を行いますので、お知らせいたします。
  → https://www.awapaper.co.jp/news/info/post_16.php

■ 二ュース 3  
 那賀川工業用水利水者協議会総会開催
当社が加盟する那賀川工業用水利水者協議会は、2023年7月13日に、総会を開催いたしました。
  → https://www.awapaper.co.jp/news/info/post_17.php

【コ ラ ム】
 天然繊維に親しむ  事業開発部 開発営業課 シニアエンジニア 伊月 義則

 事業開発部 開発営業課 伊月でございます。
阿波製紙ではこれまで、研究開発部で16年ほど、濾紙やCARMIX関連の開発に携わり、現在は事業開発部にてM-thermo断熱材、熱拡散材を中心としたサーマルマネジメント材の拡販活動を行っております。
これら新規商材開発や拡販活動を行っていく上で、高性能・高品位な製品を提供することはもちろんでありますが、現在は環境配慮型商品開発が各企業に課せられた使命となっており、取り扱う原材料にもこだわっていかなければなりません。今回は、これら環境配慮に向けた取組みの一部について書かせて頂きます。

 当社は、家庭用のちり紙や書道半紙といった皆様に身近に使って頂ける紙の製造からスタートしております。今では、自動車エンジンの燃焼に必要な空気や燃料の清浄化を行うフィルター濾材やオートマチックトランスミッション用摩擦材原紙など車社会に関わる商品を提供させて頂いております。更に清浄化レベルの高いRO(逆浸透膜)純水装置で使用される逆浸透膜支持体では、海水中のイオン除去が行えるようなオングストロームレベルの膜を支える緻密且つ耐水圧性のある合成繊維紙を提供させて頂いております。

 当社製品は、先輩方の努力と新しい素材・技術の融合により生まれたものであり、紙の原料は、いまでは天然、人工、無機、有機、繊維、粉、樹脂と様々な範囲や種類まで広がってきており、これら素材により生み出される機能も皆さまがご存じの「Wipe:ぬぐう」「Wrap:包む」「Write:書く」3つの紙の基本機能を超え、燃えない、破れない、溶けない、熱を通す/通さない、電気を通す/通さないなど皆様の想像を超えた紙が生み出されるようになってきております。

 技術・機能発展には当然、技術や素材の進歩はありましたが、今ではSDGsを始めとする環境に配慮した素材や製法により新たな製品を生んでいく必要があります。これら環境配慮素材の一つにセルロース繊維と呼ばれる天然繊維があります。セルロース繊維は植物の細胞壁を構成する繊維の一種で、最小単位は繊維径が3ナノメートル径のセルロース分子鎖の束が重なりロープ状となり、約10~40ミクロン径のパルプと呼ばれる各種紙の主原料として昔から使用して参りました。最近では、これらパルプを化学的に或いは機械的に解きほぐし、最小単位の3ナノメートル径の微細繊維まで戻すことができます。これらをセルロースミクロフィブリルまたは"セルロースナノファイバー"と呼び、最近では、鉄の5倍の強度がある天然繊維として製紙業界をあげ、各社製品化への応用研究を行ってきております。

 ただ名前は変われど、セルロースナノファイバー(以後、CNF)は長年親しんできたセルロース繊維でもあり、紙の強度向上では、叩解(繊維を叩いてほぐす)といった処理により、幾度となく細かな繊維へと改変させ活用をしてきましたので、活用しやすい新素材として考えております。CNFの特徴としては、軽量、高強度、高弾性率、低線膨張率などが挙げられますが、最大は紙製品からのリサイクル化ができる事や野菜や植物を始めとする植物全てに含まれ、どこからでも入手できる為カーボンニュートラル原料として最適です。

 当社では、CNFへの様々な化学修飾や他素材との複合化により高機能製品を生み出していけると考えております。これまでの検討事例としては、環境省NCV(ナノ・セルロース・ビークル)プロジェクトにてご活用頂きました車載用ボンネット用(表面補強材)強化紙等もございますが、これまでの紙技術の活用により、CNFの活用の幅はまだまだ広がっていくと思われます。我々が機能紙事業で培ってきた様々な経験と技術を使って、これからも皆様の想像を超えるカミを今提供して参りたいと思います。

 是非、皆さまが抱えるお困りごとがございましたら、何なりとお声がけください。これら天然繊維と様々な素材や技術を融合させ、「環境に優しく」「より薄く」「よりクリーンに」「より強く」「より軽く」など、皆さまが求める機能をカミという形でご提供致します。

 また直近でM-thermo断熱材、CARMIX CFRTP(音響材)等の出展を計画しておりますので、我々の新しい商材や技術に触れて頂く場として、会場で皆様をお待ちしております。

【第2回オートモーティブワールド秋 ‐クルマの先端技術‐】

 会場:幕張メッセ、日時:9/13(水)~15(金)、当社出展ブース:5-53
 → https://www.automotiveworld.jp/autumn/ja-jp.html

(当社CNF混抄紙を用いた自動車用成形品が東京モーターショーにて紹介)
 → https://www.awapaper.co.jp/news/info/414.php

(M-thermo断熱材)
 → https://www.awapaper.co.jp/products/m-thermo/m-thermo_i/

(CARMIX CFRP(炭素繊維強化プラスチック))
 → https://www.awapaper.co.jp/products/carmix/carmix_cfrp/