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スピード感と信頼関係

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 01[ ご挨拶] 今月の社長メッセージ
 02[ コラム] 思い込み

 ■  ご 挨 拶 ■

 スピード感と信頼関係   代表取締役社長 三木 康弘

2025 年(令和7年)がスタートしました。
激動の世界情勢に、米国トランプ大統領の再登板がどのような影響を与えるのか世間の耳目を集めています。その渦中に於いて日本の存在価値、役割は何なのでしょうか。

米国とロシア、中国、北朝鮮などの権威主義国家の関係がどうなっていくのかが気になりますが、東南アジア諸国の BRICS 入りの流れも看過できません。

石破首相に於かれましては1日も早く与野党の合意点を見出し、国政課題を乗り越えて、米トランプ大統領との信頼関係を築き、アジア情勢についての正しい情報を伝え、地域の平和と発展に寄与するよう誘導する役割を果たして頂きたいと思います。

併せて経済界も歩調を合わせて同盟国としての価値を丁寧にアピールし、トランプ大統領のディールに対応していって欲しいと思います。

ところでトランプ前大統領が得意とする「米国型ディール」は、その著書『The Art of the Deal』(邦題:『トランプ自伝 爆発する自信』)に記載されていますが、

  1. 強い交渉ポジションの確立
  2. リスクを恐れないアプローチ
  3. 相手の弱点を突く
  4. 妥協より勝利を重視
  5. 大胆なプレッシャーをかける
  6. 強い自己プロモーション

 といった強引さや大胆さが特徴的です。

「現状を打破する手腕」と評価される一方、「短期的な利益に偏る」と批判されます。

一方日本的ディールはと言いますと、

  1. 合意形成を重視
  2. 長期的な関係の重視
  3. 非対立的なアプローチ
  4. 調和と協調
  5. 時間をかける慎重さ
  6. 形式や礼儀を重視
  7. 品質や価値へのこだわり

といった特徴が挙げられ、米国的のディールが「スピード」「成果主義」「勝つこと」を重視するのに対し、日本的ディールは「信頼」「調和」「慎重さ」に重点を置く傾向があり、時間がかかる分、互いに信頼関係が築けた場合には強固で持続的な関係を形成できるのが強みと言われます。

当社の営業スタイルもやはり日本型であり顧客密着型を得意としてきました。しかしながらスピードを重視する時代でもありますので、時と場合に応じた使い分けも必要かと感じています。

一代的投機となりました小松島の新工場も、漸くサンプル作成が始まりました。

(新小松島工場完成のお知らせ)

 ⇒ https://ssl4.eir-parts.net/doc/3896/tdnet/2550392/00.pdf

「投機」の本来的意味は、「未来を見通し、機会を深く洞察し可能性を探る知的な営み」とあります。世界情勢がいかに変化しようとも、2025年という絶好の機会を掴み、スピード感と信頼関係を重視して飛躍の年にしたいと思います。

本年もよろしくお願い致します。

 ■コラム■

  思い込み     研究開発部 研究開発一課リーダー 藤枝 大輔

先日、娘の宿題を見ている際に、「惜しい!リアス海岸じゃなくて、リアス式海岸だろ」と、娘の回答に×を出しました。すると娘から「式?何それ?聞いたことがない」との返事がありました。妻と一緒に首をかしげながら教科書を見ると確かに「リアス海岸」と「式」の文字が抜けていました。

他にも私の習ってきた知識と今の時代の違いがないかと検索すると、鎌倉幕府が1185年に。「いい国(1192)作ろう鎌倉幕府」ではなく、「いい箱(1185)作ろう鎌倉幕府」となっているそうです。何故?と衝撃を受けて色々と調べてみると、時代と共に調査や研究が進み、新たな解釈や新事実に合わせて教科書の中身も変化しているとの事でした。

学生時代に学んだ内容は絶対に正しいと思い込んでいる自分に気付く事ができ良かった半面、自信満々で娘に教えていた事に羞恥を覚えました。これ以来、娘の勉強を見る時には教科書を見せてもらい確認してから教えるように心掛けています。仕事でも部下への指導教育を行うにあたり、同じように感じる事が多々あります。

自分がプレーヤーとして会得してきた知識や経験からアドバイスを与えるものの、後で冷静に考えてみると、昔はこうだった、といったような懐古思想でしかなく、今では全く役に立たない事を偉そうに語ってしまっているのではないか?部下から見るとただのうるさい上司としてしか思われていないのでは?と反省する日々を繰り返しています。

 過去の経験を活かした上で時代や環境の変化に応じた指導を行わなければいけない、と言葉では簡単に表現できますが、実際に行動にするのは難しいなと感じております。

さて、弊社では3月に徳島県小松島市にて新工場の操業開始を予定しております。現在操業に向けて、従来の工場での経験を踏まえ、新しい設備や機器を使いこなしていくといった業務に取り組んでおります。今までの経験から当然と思い込んでいた事が、最新の設備では違っていたりといった事もありました。

最新の設備を使いこなせるように、思い込みにとらわれず自分たちもバージョンアップを進めていき、更なる飛躍の年になるように取り組んでまいります。