お客様の声
Vol.2
前編
既設の施設にコンパクトに納まり、きれいな水を自然に還す
お客様紹介
株式会社丹野
1978年設立。本社は山形県山形市。「環境保全の総合企業」を標榜し、山形県全域で浄化槽の維持管理・清掃、水質分析、産業廃棄物の収集・運搬・処分などの事業を幅広く展開。近年は事業で発生する循環資源のリサイクルにも注力。食品廃棄物や有機汚泥などを原料とする「エコたいひ」は、山形県リサイクル認定製品に登録されている。
環境保全に資する事業をワンストップで展開
ご家庭の生活排水や事業所、工場で排出される廃棄物など、私たち丹野は、地域の環境保全につながるあらゆる領域を事業の対象としております。暮らしの中で、あるいは企業活動において発生するゴミや汚れた水を浄化して自然に還すまでには様々な工程がありますが、排水処理施設の維持管理、廃棄物収集運搬・処分、環境分析調査、給排水設備工事などワンストップで行えることが丹野の強みです。
廃水や廃棄物を処分する際は固体と液体を分離すること、そして環境汚染の原因となりえる成分を取り除くことが肝心です。そのために2つの施設を自社保有しており、含水率の高い廃棄物は蔵王処理センターで、それ以外の堆肥の原料となる固形物はエコプラザで、それぞれ脱水、堆肥化といった中間処理を行います。
阿波製紙のM-fineユニットは2018年11月に蔵王処理センターに導入されました。とあるエンジニアリング会社を介して導入されたM-fineユニットは、廃水処理にあたって同センターが以前から抱えていた課題の解決に役立てられております。
従来の廃水処理にはどのような課題があったのか
それまで、蔵王処理センターでは標準活性汚泥法による廃水処理が行われておりました。標準活性汚泥法は、反応槽の活性汚泥に廃水に含まれている有機物を分解させ、沈殿槽で汚泥を重力沈降させて固液分離し、きれいになった上澄み液を処理水として排出する方法です。ただこの方法には、廃水の種類によって重力沈降にかかる時間が左右され、処理効率の低下や廃水の受け入れ量の制限といった懸念が常につきまとっておりました。
これらの問題解決のために、エンジニアリング会社から提案いただいたのが、阿波製紙のM-fineユニットです。重力沈降をじっと待つのではなく、膜フィルターを用いた吸引ろ過により強制的に固液分離する機能は、廃水の種類を問わず、数年来の課題を解決するのに十分な期待を持つことができました。
特にM-fineユニットが、コンパクトであることが決め手の一つです。標準汚泥活性法に不可欠な沈殿槽が不要で、既設の標準活性汚泥槽内にM-fineユニットを浸漬することが出来るため、工費が軽減されることも魅力であったことは間違いありません。
地域の暮らしを支える水環境を守り続けるための体制がさらに拡充されたと、手ごたえを感じております。
株式会社丹野様の詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。
営業担当
阿波製紙株式会社 水環境事業部 営業設計課 原田学人
丹野様には、当社製品の利用状況について定期的に情報共有をしていただき、それらをデータ化して運転方法へフィードバックするといった連携が続いております。メンテナンスのタイミングをはじめとした有意義な情報を提供できるよう、これからも励んでまいります。
製品について
M-fine ユニットType051030
中空糸の強みである優れた容積効率と柔軟性を兼ね備えたハイブリット平膜を有する膜分離活性汚泥用ユニット。膜素材には親水性を持ったPAN(ポリアクリロニトリル)を使用しており、優れた耐ファウリング性と特許取得の独自の散気管構造が特徴である。
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